1970年代に「障害があったっていい」「自分が出来なければ、誰か違う人にやってもらえばいい」という思想が障害者運動の中に生まれました。これから始まる私たちの自立生活センターの活動もそこから始まっています。
これまで障害者のことは、いわゆる専門家と呼ばれる人々によって決められてきました。その中には、決して障害者が望んでいない「障害を治すこと」や「施設生活」など多くのことがありました。そして、我慢を強いられてきました。このような状況に「NO」「いやだ」といい、地域生活する障害者のこころみが始まり、30年が経ちます。しかし、障害者が地域生活をすることは、今日この日においても、決して簡単なことではありません。介助のこと、教育のこと、仕事のこと、交通のこと、性のこと、住宅のこと、全てが重大な問題です。しかし、さまざまな問題が山のようにある地域の中ででも家族や仲間、愛しい人と一緒にいること、ときに大わらいし、ときに大げんかし、かなしみ、大さわぎをし、大めいわくをかけながら生活することを、喜びとし、幸せとし、この営みをやめるわけにはいきません。そして、誰にもこの営みを阻むこと、禁止することはできません。
ここつくば市周辺においても、多くの人の介助を得ながら、自分の住みたいところ、家族や仲間のいるところで生活を営む障害者がいます。その支援者がいます。そしてこれから、その様な生活を望む障害者がいて、そんな地域が居心地がいいと感じる人々がいます。
私たちの活動は、そんな人々と全国の、世界の、自立生活センターと一緒になって、障害者の主体をはじまりとし、自立生活センターの理念である「自分たちのことは自分たちできめる。自分たちのことは自分たちが一番よく知っている」を合い言葉に、障害に関わりなく生活できる社会の創造を目指していきます。
そしてその完了形は、街のあちこちで車椅子・乳母車・自転車・下駄・盲導犬、さまざまな足音が混じり合う、さまざまな人々が行き交う、「まだ誰にも想像つかない普通の風景」です。この思いに賛同される、同じことを考えている障害者・非障害者の皆さん、是非この「創造」に参加して下さい。お待ちしています。
2001年5月19日
つくば自立生活センターほにゃら